僕は生徒に恋をした
「彼女、計算なのかと思ってたけど、本当に天然なのな」

洋平はケラケラと笑う。

「お前のことだから、どうせいつもみたいに上手いこと引っ掛けられたのかと思ってた」

「余計なお世話だよ」

洋平は俺の過去の恋愛を知りすぎている。

俺はふて腐れながらそう言った。

「キスしようとして拒まれたって?
焦んなよ、ガキじゃあるまいし」

山田は洋平にそんなことまで話したのか。

「相手は高校生なのに、お前の方がのぼせてどうすんだよ」

急に腹が立ってくる。

「お前にどうこう言われる筋合いはないよ」

言った側から、言い過ぎたと分かってるのに、勢いづいた俺の口は止まらない。

「お前みたいな軽い男に、口出されると腹が立つ」
< 249 / 374 >

この作品をシェア

pagetop