僕は生徒に恋をした
第二十章 疑惑
「3-B山田雛、至急数学準備室まで来なさい」
職権乱用と言われればそれまでだけど、俺は昼休みに校内放送で山田を呼び出した。
補講や課題提出のために、準備室に生徒を呼び出すことはたまにある。
それに山田はあまり数学の成績も良い方じゃないから、不審に思われないだろう。
ほどなくして山田が顔を出した。
周りを見回すので、俺しかいないことを伝えてやると、彼女はふわっと笑った。
「これ」
俺は彼女に携帯電話を渡した。
「何で先生が持ってるの?」
受け取りながら、山田は目を丸くする。
「洋平の家に忘れてったんだよ」
なくしたと思ってた、と山田は携帯電話を握りしめ、俺を見つめた。
職権乱用と言われればそれまでだけど、俺は昼休みに校内放送で山田を呼び出した。
補講や課題提出のために、準備室に生徒を呼び出すことはたまにある。
それに山田はあまり数学の成績も良い方じゃないから、不審に思われないだろう。
ほどなくして山田が顔を出した。
周りを見回すので、俺しかいないことを伝えてやると、彼女はふわっと笑った。
「これ」
俺は彼女に携帯電話を渡した。
「何で先生が持ってるの?」
受け取りながら、山田は目を丸くする。
「洋平の家に忘れてったんだよ」
なくしたと思ってた、と山田は携帯電話を握りしめ、俺を見つめた。