僕は生徒に恋をした
「ごめんね、電話できなくて」

俺は苦笑して首を振る。

「どうだった?」

「すごかった!
作品もたくさん見れたし、デッサンも見てもらっちゃった」

「そうか」

洋平は軽口を言いながらも、ちゃんと山田を見てくれていたようだ。

俺はそんなあいつを、本気で怒らせてしまったのだろうか。

「次に洋平の家に行くのはいつ?」

「まだ決まってないの。
時間ができたら声を掛けてくれるって」

当分はヤキモキしなくて済むということか。
俺がそんなことを考えていると、山田が不意に笑った。

「どうした?」

「ううん。
こうやって休み時間に二人で会えると思ってなかったから、すごく嬉しい」

山田はそう言って微笑んだかと思うと、急に眉をひそめた。
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