僕は生徒に恋をした
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そんなある日。

俺は大学時代の友人から、飲みに行こうと誘われた。

「恭司、久しぶり」

指定された飲み屋に顔を出すと、懐かしい顔が揃っていた。

社会人になった年に数回会ったきりだから、みんなで顔を合わせるのはかれこれ五年振りだろうか。

「結構集まったんだな」

以前とあまり変わっていない彼らを見ると、大学時代が昨日のことのように思える。

「遅れて洋平が来るよ」

同じバスケ部だった関口の言葉に一瞬戸惑う。

洋平と顔を合わせるのは、あの晩、言い合いになって以来だったから。

洋平が来るのがいつになるか分からなかったため、俺達は彼を待たずに先に始めることにした。

だけど、洋平はいつまで経っても姿を現さなかった。
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