僕は生徒に恋をした
まぁ、それなら誰かと一緒の可能性もある。だけど。

「洋平なら携帯二個くらい持ってんじゃねぇの?
そもそも俺らに嘘つく必要ないし」

別に飲み会は強制じゃないし、すっぽかしたからって責めるような連中もいないのだから。

「でも着メロ、アニメの曲だったぞ?
あいつのキャラじゃねぇよ」

関口が言う。

アニメの着メロ、という言葉が何となく気にかかった。

「―――アニメって、もしかしてあの青いネコ型の…?」

まさかとは思いながらも聞かずにはいられない。

関口に否定してもらいたかった。

「そうそう。何だお前知ってたの?
洋平そんなの着メロにしてんのかよ」

関口はケラケラと笑い出した。

嘘だ、と思った。

だって今日は、山田が洋平の家に行く日じゃない。
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