僕は生徒に恋をした
「差し出されると萎えるもんだな。
お前の彼女って付加価値がないなら、別に興味ないよ」

洋平はケラケラと笑う。

一体、こいつはどこまでが冗談で、どこからが本気なのだろう。

「―――そういや、お前これ覚えてる?」

不意に洋平が棚の上にあった数枚の写真を手に取り、俺に見せた。

何だよ。
今そんなもの見てる場合じゃないだろうが。

「今日、雛ちゃんにお前の学生時代の写真見せろって言われたんだけど。
卒業アルバムもないし、唯一見つけたのがまた、ろくでもねぇの」

彼の手には、俺が大量のハンバーガーに囲まれた写真が握られていた。

「…これ、お前らが面白がって買ってきたやつだろ?
気持ち悪くなったことしか覚えてないけど、飽きるほどあったよな」

「20個だよ」

即答した洋平に驚いた。

「よく覚えてんな」

「覚えてるさ。
お前の歳の数だけ買ってきたんだから」
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