僕は生徒に恋をした
そう言えば、当時仲間うちで、誕生日に歳の数だけ何かを買ってくるのがブームになってたっけ。

俺のハンバーガーなんかまだマシな方で、浪人してた関口なんて、牛丼21杯目の前に積まれてたもんな。

「本当、くだらね」

大学生ってのは、どうしてああバカなんだろう。
くだらなすぎて笑えてくる。

「―――で、これが何?」

「だから、俺は雛ちゃんにこれを見せたっつってんの。
今日、彼女がどんな行動に出るか分からない?」

「は?」

彼の意図が掴めない。

「お前、本気で言ってんの?
何で俺が本人に誕生日教えてやらなきゃいけないんだよ」

洋平の呆れた声に、俺は卓上カレンダーを見る。

11月11日、確かに俺の誕生日は明日、いやもうすぐ今日になる。
< 267 / 374 >

この作品をシェア

pagetop