僕は生徒に恋をした
「まずいな。
山田といると、どんどんわがままになる」

俺はため息をつく。

一回りも下の女子高生に、どれだけ振り回されているのだろう。

「私も、わがままだよ」

山田は俺を見た。

「先生が他の子と仲良く喋ってるのだって嫌だし。
そもそもあんなに人気があるのも本当は嫌なの」

ただの嫉妬だけど、と山田は苦笑する。

「私ね、先生と一緒にいるのに、いつも不安だらけなんだ。
子供すぎて飽きられてないかな、とか。
もっと勉強できないと先生が恥ずかしいかな、とか」

山田が照れくさそうにつぶやいた。

「今日も、本当は飲み会なんて嘘で、誰かと誕生日を祝ってたらどうしようとか思ってた」

先生を信用してるのにね、と山田は苦笑する。
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