僕は生徒に恋をした
第二十三章 いい機会
「何で呼び出されたか、分かっていますね?」

校長室には校長の他に教頭、主任まで顔を揃えていた。

「はい」

俺は頷く。

まさかこんなことになるとは思っていなかった。

「佐々本先生にお尋ねしますが、このメールの内容は事実ですか」

教頭が、プリントアウトした本文を俺の目の前に提示した。

写真も撮られているのだから、今さら事実か聞くまでもないのに。

教頭のこういう、ねちっこいところが俺はどうも苦手だ。

「はい」

「では佐々本先生は昨日の深夜、我が校の生徒を自宅に連れ込んだ。
間違いはありませんね」

間違いはない。だけど。

「いえ、語弊があります。
確かに彼女を家に入れたのは事実です。
ですが昨日、彼女の家に空き巣が入ったんです」

警察に被害届けも出してます、と付け足すと、新しい事実に三人は驚いたようだった。
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