僕は生徒に恋をした
「佐々本先生は前々から女子生徒とよく噂になってますからね。
そういう気のゆるみが、今回のような件に発展したんだとは思いませんか」

悔しいけれど、教頭の言葉が痛かった。

「事実は分かりました。
佐々本先生の判断が一概に間違っていたとは言いません」

黙っていた校長が、ようやく口を開いた。

「ですが、これだけ校内に広まった以上、何の処分もなしというわけにはいきません。
事実、佐々本先生のしたことは褒められた行為じゃありませんしね」

俺は頷く。

校長室に呼ばれた時点で、無罪放免になるなんて思っていなかったから。

しかし俺に課せられた処分は、一週間の自宅謹慎だった。

まさかそんなに軽く済むとは思わず、俺は拍子抜けする。
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