僕は生徒に恋をした
三人に頭を下げ、校長室を出ると、扉のすぐ側に手嶋先生が立っていた。

「自宅謹慎になりました」

俺は彼に聞かれる前に答えた。

山田との交際が明るみに出れば、こんな処分で済むわけはない。

俺はこれからも、山田が生徒でいるかぎり、周囲の目を気にし続けなければいけないのだと再認識した。

「悪かったな。
あいつが佐々本先生に電話したから…」

手嶋先生の言葉に俺は首を振る。

山田に責任はない。

俺の自覚のなさがそもそもの原因だった。

それに、もし山田が手嶋先生に連絡していたら、俺はまた彼に嫉妬していただろうし。

俺は職員室に戻り、机の上を片付ける。

明日から一週間の授業を数学科の先生方に代わってもらわないといけない。
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