僕は生徒に恋をした
そんなことを考えていると、林原が隣の席から俺だけに聞こえるくらいの音量で、説明しろよ、とつぶやいた。

「―――山田の家に空き巣が入った。
その直後に一人にさせるのが心配だから俺の家に泊めた。
処分は謹慎一週間。
他に何か聞きたいことは？」

俺が事実を淡々と伝えると、林原はふぅん、と鼻を鳴らした。

「お前が自宅に女を上げるなんてね」

彼の言葉に俺は眉をひそめる。

「お前は単純だけど、そんな軽率な行動をとるやつじゃなかったはずだけど」

林原は俺を見た。

「佐藤先生と別れた理由を聞いてなかったけど、まさかだよな」

林原は感付いている。

いや、彼だけじゃないかもしれない。

俺の行動が一教師のそれを越えているのは誰の目にも明らかだったから。
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