僕は生徒に恋をした
「先生、明日から学校来ないって本当?」

「たった一週間だよ」

勝手にリストラするな、と俺は笑う。

「最近忙しかったし、骨休めになるよ」

俺は本心から言ったが、山田は首を横に振る。

「私のせいなのに…」

違うよ、と今度は俺が首を振る。

「俺が冷静じゃなかっただけだ。
山田が気にすることじゃない。
ほら、早く教室戻れ」

俺は山田の頭に手を置き、そしてパタパタと手で彼女を教室に追いやる。

山田は不満な顔をして教室に戻って行った。

彼女を見ると、さっきまでの鬱屈していた気分が一気にどこかへ行く。

山田が側にいてさえくれれば、きっと俺はまだ大丈夫だと心から思える。
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