僕は生徒に恋をした
アイドルにずっと夢中のユウちゃんと一緒に参加したものの、カラオケの苦手な私は首を振って断った。

「私、聞く担当だから」

「―――あと、食べる担当だろ?」

隣に座っていた武内君が、そう言って私にピザの載ったお皿を渡してくれた。

「失礼しちゃうな」

私は苦笑して、でも喜んでそれを受け取った。
ピザは大好き。

「二人は仲良いのに、どうして別れたの?」

横から手を出してピザを口に頬張りながら、ユウちゃんが聞く。

「こっぴどく振られたの。
好きなやつがいるからって」

男子が賑やかな曲を歌う横で、武内君は声を張り上げて言った。

「雛って男に興味あったんだ」

「俺だって男だけど」

武内君がムスッとしてつぶやくと、ユウちゃんはごめんごめん、と苦笑した。
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