僕は生徒に恋をした
「そういう意味じゃなくて。
武内のときは多分ガンガン攻められて成り行きで付き合ったんだろうと思ってたからさ」

さすがユウちゃん、当たらずも遠からず。

私が笑うと、横で武内君がどうせ成り行きだよ、とふて腐れる。

「雛って浮いた話ないし、自分からは男の話を全くしないし。
てっきり興味ないんだと思ってたから」

確かに、ユウちゃんにも先生とのことは話してなかった。

親友にも秘密にしておくくらい、大切にしたい恋だったから。

「誰が好きなの?」

ユウちゃんはソフトドリンクを一口飲むと、白状しなさいと言った。

返答に困る私の代わりに、武内君がつぶやいた。

「名前なんかいいだろ。
もう終わってんだから」

私は驚いて彼を見る。
武内君は、知ってるの?
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