僕は生徒に恋をした
「何で…?
何で武内君にそんなこと言う権利があるの?」

ひどいこと言ってるのは分かってる。

だけど混乱して、感情が上手くコントロールできない。

「俺、まだ山田のことが好きだもん」

武内君が言う。

「佐々ちゃんのせいで山田が他の女子に悪く言われるの、見てられなかった」

「それは先生のせいじゃない」

「同じだよ。
佐々ちゃんは何もできなかった。
俺が教えるまで、山田がどんな気持ちでいるか知りもしなかった。
だから、別れてって言ったんだ」

だってそれは仕方ない。
私が言わなかったから。
先生に心配をかけたくなかったから。

「山田が佐々ちゃんと上手くいくはずない」

「そんなことない。
春になったら、卒業したらまたやり直せるって言ってくれたもん」
< 321 / 374 >

この作品をシェア

pagetop