僕は生徒に恋をした
もう駄目なのかな…。

ボーッとそう考えながら家の門に手をかけたとき、玄関先に小さな紙袋が置かれているのが目に入った。

何だろう。
不審に思いながら手に取ると、中にはリボンをかけた小箱が入っていた。

うちの玄関に、関係ないものを置かないよね。

私は自分にそう言い聞かせてリボンをほどく。

中から出て来たのは華奢なネックレスだった。

心臓が高鳴る。

真ん中に散りばめられている石は、私の好きな青色のものだった。

もしかして。

私は欲張りだ。
さっき諦めかけたばかりなのに都合のいい期待をしてしまう。
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