僕は生徒に恋をした

この高校は若い男性教師が圧倒的に少ない。

俺たちと手嶋先生の他には、それでも三十歳は越えてる体育の松田先生くらいのもので、その次に若いとなると四十代になってしまう。

だからバレンタイン当日は、まるで女子校並に俺たちはモテる。

それだけ言うと自慢しているように聞こえるらしく、教師以外の友人にはよく羨ましがられるが、実際はそうでもない。

もらったチョコレートを一体どうするか、それが毎年頭を悩ませる。

数が数だけに、暗黙の了解でお返しはしないことになっているが、もらった手前食べないわけにもいかない。

これから俺たちのおやつは当分チョコレートになるのかと思うと気が重い。

まぁ、それも自慢だろ、と言われてしまえばそれまでだけど。