僕は生徒に恋をした
「チョコあげる」

三人から同時に差し出されると、さすがにまごつく。

俺は照れながらありがとう、と受け取った。

「佐々ちゃん、それ本命だからね」

そのうちの一人が言う。

冗談なのは分かってるけれど、改まって言われると照れるものだ。

「そりゃまたどうも」

「あー、信じてないでしょ」

「だってお前、うちのクラスの高野と付き合ってるだろ?」

本命だ、と言ってきた子の頭を小突いて苦笑する。

「バレてた?」

三人はじゃあね、と手を振って去って行く。

俺もじゃあな、とつぶやいて歩き出したとき、向かいから山田が来た。
< 347 / 374 >

この作品をシェア

pagetop