僕は生徒に恋をした
第四章 二人の距離
季節は変わり、春。
三年生はクラス替えせずに持ち上がるため、俺は引き続き3-Cの担任になった。
相変わらず山田は隣のクラスで、俺たちの距離が縮まることはない。
しかし、これくらいが丁度いいのかもしれない。
俺は教師で、山田は生徒で。
たとえこの思いが恋だと気付いたとしても、これ以上どうしようもないから。
唯一、3-Bの数学の時間だけが、山田との距離が少し縮まる時間だった。
「出席番号が今日の日付の人に黒板で答えを書いてもらうか」
俺は教科書の問いを生徒に解かせ、ある程度時間が経つとそう言った。
途端にクラス中から非難の声が上がる。
「出席番号が32番以降のやつは絶対当たらないじゃん」
なるほど、と思い、俺は名簿を見ながら普段指されそうもない一番最後の番号を探した。
三年生はクラス替えせずに持ち上がるため、俺は引き続き3-Cの担任になった。
相変わらず山田は隣のクラスで、俺たちの距離が縮まることはない。
しかし、これくらいが丁度いいのかもしれない。
俺は教師で、山田は生徒で。
たとえこの思いが恋だと気付いたとしても、これ以上どうしようもないから。
唯一、3-Bの数学の時間だけが、山田との距離が少し縮まる時間だった。
「出席番号が今日の日付の人に黒板で答えを書いてもらうか」
俺は教科書の問いを生徒に解かせ、ある程度時間が経つとそう言った。
途端にクラス中から非難の声が上がる。
「出席番号が32番以降のやつは絶対当たらないじゃん」
なるほど、と思い、俺は名簿を見ながら普段指されそうもない一番最後の番号を探した。