僕は生徒に恋をした
自分のクラスの戸締まりと消灯を確認した後、隣のD、E、F組を見て回る。

どのクラスも特に問題はなさそうだ。

問題のB組に差し掛かったところで俺はやっぱりか、と苦笑する。

今回消灯はされていたものの、窓が開いてカーテンが風で舞っていた。

林原は最後の日まであいつらしい。

窓を閉めようと教室に入ったとき、カーテンの陰に誰か立っているのに気付く。

いや、誰かというのは嘘だ。
後ろ姿を見ただけで俺はすぐに分かった。

「―――何やってるんだ?」

俺の声に驚いて振り返り、目が合うと、

「先生」

山田はふわっと笑った。
< 363 / 374 >

この作品をシェア

pagetop