僕は生徒に恋をした
「でも、林原先生には悪いけど、カレーかけて良かった。
怒られて課題出されたから、あの日、先生に会えたんだもん」

俺は苦笑する。

確かにあの日がなければ、ただの一生徒でしかない山田と関わることなんてなかった。

きっと人をこんなにも好きになることもなかった。

「先生はいつから私のこと好きだったの?」

山田がずっと知りたかったんだ、とつぶやく。

「―――あの日にはもう、だいぶ気になってたかもな」

山田は何で?、と目を丸くする。

「私、変なとこばっかり見られちゃったのに」

カレーの一件といい、課題をやってて爆睡したことといい、さらにはカイロも爆発させたっけ。
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