僕は生徒に恋をした
そのとき、山田のバッグの中で携帯電話の着信メロディーが流れた。

某アニメのオープニング曲。
相変わらず色気も何もない。

武内君だ、と山田が少しホッとした様子で電話に出るのが少し悔しい。

「もしもし?」

『山田?
何してんだよ。
もうみんなカラオケボックスに着いてるぞ』

声が大きいから電話から武内の声が漏れてくる。

「取り込み中だって言っとけ」

『佐々ちゃんと一緒にいるの?』

俺の声が聞こえたのか、武内の声がもっと大きくなる。

「先生に代われって」

山田にそう携帯電話を渡され、俺は面倒臭いと思いながらそれを耳に当てた。
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