僕は生徒に恋をした
第五章 嵐の夜
『暴風雨警報が発令されました。
校内に残っている生徒は直ちに下校して下さい』

校内放送が鳴り響く。

この日、昼を回った頃から雨と風がひどくなり、警報が出たこともあって午後は休校となった。

俺は他の先生たちと協力して、各教室に生徒が残っていないかと、戸締まりを確認していく。

「何やってんだ、早く帰れ」

俺は3-Bの教室で残っていた生徒に声を掛ける。

そのうちの一人は山田だったが、俺は彼女に視線を注ぐことなく、戸締まりの確認を急ぐ。

「だって佐々ちゃん。
雛が一人で家にいるの怖いから帰りたくないって駄々こねるんだもん」

「ちょっとユウちゃん」

言い訳する友達の言葉を遮るように山田が言った。
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