僕は生徒に恋をした
第六章 元彼女
職員室で配られたプリントに目を通していた俺は、ある箇所で目を留めた。
教育実習。
それ自体なら、毎年のことだ。
進学後に教職過程に進んだ卒業生が数人、一ヶ月ほど実習しにくる。
実習生の名前が連なった中の一つに、俺の目は奪われていた。
教師になりたての年に初めて副担任についたときの生徒で、彼女は当時三年生だった。
もう四年も経つのか。
連絡先はわからないし、もう会うことはきっとないと思っていた。
「驚いたな、あいつ来るんだ」
隣に座る林原が俺にだけ聞こえるようにつぶやく。
「みたいだな」
「知ってたのか?」
「まさか」
俺は首を振る。
四年の間、俺からは一切連絡をとっていない。
教育実習。
それ自体なら、毎年のことだ。
進学後に教職過程に進んだ卒業生が数人、一ヶ月ほど実習しにくる。
実習生の名前が連なった中の一つに、俺の目は奪われていた。
教師になりたての年に初めて副担任についたときの生徒で、彼女は当時三年生だった。
もう四年も経つのか。
連絡先はわからないし、もう会うことはきっとないと思っていた。
「驚いたな、あいつ来るんだ」
隣に座る林原が俺にだけ聞こえるようにつぶやく。
「みたいだな」
「知ってたのか?」
「まさか」
俺は首を振る。
四年の間、俺からは一切連絡をとっていない。