僕は生徒に恋をした
2-B以外に問題はなく、俺は見回りを済ませて玄関に向かった。

下駄箱に寄り掛かる山田を見止め、声を掛ける。

「ごめん、待たせたな」

山田は俺に気付いて姿勢を正し、首を振った。

「ううん」

山田はバス通学だったが、この時間では最終バスも出てしまったため、俺は自転車を押して彼女を送って行くことにする。

横で歩いてみると、山田の身長が思っていたよりも低いことに気付く。

授業中、席に着いているときには思いもよらなかったが、俺の肩よりもずっと低いんじゃないだろうか。

「ごめんね先生。
送ってもらっちゃって」

「いいよ、結局俺の家もこっちなんだし」

山田の家は俺の家に近かった。

いつも立ち寄るコンビニが同じで、今まで出会わなかったのが不思議なくらいだ。
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