僕は生徒に恋をした
第八章 花火
教育実習期間も終わり、期末試験が終われば夏休みだった。

受験生にとっては勝負の夏。

しかし、そんなことは本人たちが一番よく分かっているはずだから、俺はあえて勉強の話ばかりするのは避けて、一学期最後のホームルームを終えた。

「佐々ちゃん、夏祭り一緒に行こうよ」

俺が教壇を離れるとほぼ同時に数人の生徒に囲まれる。

高校の近くでは毎年開催される夏祭りがある。
最後には花火も打ち上がるなかなかの規模だった。

「お前たちが羽目を外さないように、俺たち教師は見回りだよ」

見回りは面倒なだけで楽しいものではなかったが、花火が終わった後に集まり、ささやかな打ち上げをするのが教師たちの毎年の恒例だった。
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