敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】
……母親の温もりを知らない
あたしが、立派な母親に
なれるのか。



あたしは、あたしの母親
じゃない。


だからもちろん同じ道を
たどるだなんてことはないと
わかっていても……

心の底では、やっぱりその
不安を抱かずには、いられ
ないから。



「まぁ、これだけ有能な
秘書なんだ。

母親業だって問題ないって、
オレは思ってるけどな」



ニコッと笑って言った
セリフは、たぶんあたしを
リラックスさせるための
気遣いだろう。



だからあたしも、クスッと
笑って返した。


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