敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】
この豆も、去年とは違う。


前は社長用のと同じだった
けど、柊弥の好みを考えて、
副社長用のはあたしが別に
セレクトしてるんだよ。



……銘柄には無頓着だから、
柊弥は気づいてるかどうか、
わかんないけど。



「――よし。今日も頑張るか」



コーヒーの最後の一口を
飲み干しながら、柊弥が
気合いを入れるようにそう
言って立ち上がった。



「行ってらっしゃいませ、
副社長」



資料を小脇に抱えて出て
いく彼を、あたしは軽く
頭を下げて見送る。


_
< 15 / 111 >

この作品をシェア

pagetop