敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】
「そうだね……入ってくる」



そう言って立ち上がった時……
いきなりグラリと、視界が
揺らめいた。



「―――――っ!?」



バランスを崩したあたしは、
仰向くようなおかしな
体勢でもう一度ソファに
沈み込んでしまう。



柊弥が驚いた顔をして
駆け寄ってきた。



「オイッ、どうした?」



「な、何でもない。
ちょっと立ちくらみがしただけ」



本当は、立ちくらみよりは
もっと強い、めまいに近い
感覚だった。


でもその言葉を使うのには
抵抗があって、とっさに
当たり障りのない言葉で
ごまかしてしまう……。


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