敏腕秘書の甘い罠【Honey*TRAP!! 番外編】
「立ちくらみ? 
大丈夫なのか?」



「大丈夫だってば。
座ったり立ったりしたから
でしょ」



そう言って、ソロソロと
慎重に立ち上がった。

……今度は、大丈夫。



「入ってくるね」



柊弥の隣をすり抜けて歩き
出そうとしたけれど――
そのあたしを、柊弥が止める。



「待てよ」



「え? 何?」



「お前……本当に、大丈夫
なのか?」



「……………!」



とっさに返す言葉が出ず、
黙って柊弥の顔をマジマジと
見てしまった。


その不自然さに、柊弥が
感づかないわけがない。


_
< 51 / 111 >

この作品をシェア

pagetop