☆ 女芸人とアイドル ☆
「何でもない」
俺はふとこの間のキスの感触を思い出した。
ほんの1秒くらいのキス。
触れるか触れないかのキスなのに、
何故か今もリアルに俺の中に残っているんだ。
「はぁ~~。これでやっと同居生活からも解放されるっ!!」
俺はそんな記憶を振り払うように、無理と大きな声を出す。
「お疲れさん。早速 出てくの?」
「当たり前じゃん」
「本当は少し寂しいんじゃない?」
「まさか」
俺はそう苦笑してリュックを背負う。