☆ 女芸人とアイドル ☆
「何で?」
「何でも。アイツの気が済むまで言い成りになってそれで許してもらうよ」
「そこまで嫌なの? 贅沢」
「まあな。俺に釣り合う女なんてめったにいないし~?」
「出たよ。俺様アイドル発言!」
「まあな♪」
「亮介って本気で人好きになったことないでしょ?」
雪乃が苦笑しながらそう言う。
「…あるよ」
「へぇ?」
「今も好きな奴いるし。だからこそ 無責任に優衣とは付き合えない」
急に真面目にそう言った俺に、雪乃は目を丸くしている。
「じゅうぶんっ無責任だったと思うけど? ていうか好きな人いるのに優衣ちゃんと…」
「そ、その頃はまだいなかったんだよ!」