☆ 女芸人とアイドル ☆

「えっ?」

ニヤニヤしている雪乃を置いて、俺はスタジオの方へ歩き出す。

「もう行くの? 私、着替えないと」

「お先に」

「また後でね! 愛してるぞ~♪」

雪乃は俺に手を振りながら廊下を走ってく。


「…っ」


廊下の端まで聞こえるようなデカい声で言うかよ?

周囲の視線が集まる中、俺は1人真っ赤になって俯く。






…そう。

俺の天敵ってのは、この女芸人。

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