☆ 女芸人とアイドル ☆
「だから俺が言ったこと」
「ああ」
「分かってると思うけど本気じゃないから」
俺たちの間に流れる沈黙の時間。
しばらくして雪乃がフッと笑みを見せる。
「分かってるよ。亮介が本気で私を好きなわけないもん」
「…」
「どうせまた私をからかったんでしょ?」
「そうそう」
「…ったく。昨日は一瞬焦ったよ! 亮介、演技上手すぎ」
「これでも月9俳優ですから」
俺はそう言って悪戯っぽい笑顔を見せる。