☆ 女芸人とアイドル ☆

ディスプレイに表示された『雪乃』という文字。


「雪乃さん? 噂をすれば」

「…」

「出ないの?」

「これから本番だし」

「少しくらいいいじゃん。まだ時間あるし」


優の言葉に押されるように俺は着信ボタンを押す。




「…はい」

『あ、亮介? 今大丈夫?』

電話の向こうから聞こえる雪乃の明るい声。

「少しなら。どうかした?」

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