☆ 女芸人とアイドル ☆

聞こえてなかったわけじゃない。

でも 今の俺は正直それどころじゃなくて。




「全然 食べてないじゃない」

手つかずのまま放置されたケーキを優衣が不機嫌そうに指差す。

「ここのケーキ、超美味しいんだよ?」

「今から食うよ」

「さっきから上の空だね。もしかして雪乃さんのこ…」


…プルルル




優衣の言葉を遮るように俺の携帯が鳴る。

もしかして雪乃?

俺は慌てて携帯を取り出した。

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