追憶〜逢いたい人へ〜
勇があの場所に来なかったのは彼女ができたから…
そう思っていたことが間違いだって気付いたのは、高校生活にもなれた初夏の頃だった……
本屋さんに立ち寄って、あるファッション雑誌をペラペラとめくったとき…
あるページで手が止まった。
…嘘…………
勇、有名人になっちゃってる………
そこには、中学の時よりも数倍…いや、数百倍もかっこよくなってる勇がいた…。
心臓がバクバクして……
雑誌を持つ手が震える……
無意識にレジに向かった。
家に帰ると、急いで部屋に入り、また震える手で勇が載っているページを開いた……。