追憶〜逢いたい人へ〜

秘密…


勇の誕生日から私はよくあの場所に行っていた。



勇が言っていた、唯一一人になれる場所…




私も一人になりたいとき、悩んだときはいつもここにいた。




ちょっと前までは孝雄の隣が私の安心する場所だった。


けど、その孝雄が今はいない……



私は孝雄に頼りすぎていたんだ…。



離れてからすごく痛感する…。


だからかな…


ここに来ると、一人じゃない気がして安心するんだ…




そう…


私の誕生日も………。






夏休みだったから、友達からは“おめでとう”の電話だけだった。



電話が一段落して、私はあの場所に自然と向かっていた……




あの夕日が見たかった…。




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