追憶〜逢いたい人へ〜

『何一人で笑ってんの?キモいよ!』



後ろから聞き慣れた声がした。




びっくりして柵から落ちそうになる…。


私の手を慌てて引っ張り、助けてくれたその手は……




勇だった…………。





勇は胸に引き寄せ、“ギュッ”っと抱き締めてくれた…。





私はパニックしすぎてショート寸前……





なんで………?





どうして………………?








頭の中が整理できない…。





勇は固まってる私からゆっくり離れて、


『なんか…いる気がして…誕生日だよな?……おめでとう……。』





ポツリと呟く勇の声がジンワリと胸に届く……



今、私の目に映っている夕日みたいに暖かい……






『ありがとう…。覚えててくれたんだね。』


目頭が急に熱くなる…



ヤバい……



泣きそう……………。
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