追憶〜逢いたい人へ〜
『俺はてっきり、ずっと俺のこと待ってたのかと思ったよ。』
『…それはないけど…。』
『ないのかよ!』
勇はちょっとガッカリしている。
『ないけど……いつか…またここで会えたらいいな…って思ってた…かな…』
『マジで?じゃあ、振ろうとしたこと後悔してんだな?そうだろ?』
勇の顔が“パァ〜ッ”と明るくなって、私の顔を覗き込んだ。
『……ふふふ。そうかも。』
なんだか満足そうな勇は、
『じゃあ、俺達、付き合おう。』
真っ直ぐ、真剣に私の顔を見て言った。
そして、
『俺は、どんな理由があったにせよ、約束を守らなかったことを後悔した。あの時の返事がNOだったとしても俺はお前に会いたかった。だけどなかなかここにも来ることができなくて…でも、今日はお前の誕生日だから…会いたかったから来たんだ。お前がいる気がして……』