追憶〜逢いたい人へ〜

真剣な勇を見て私は振ろうとしたことを本気で後悔した。


だけど、気持ちにブレーキがかかる。



『でも…仕事は?マズイでしょ?付き合ってるのがもしバレたら仕事に支障が出るよ。せっかく人気が出てきたとこなのに…しかも、こんな私とじゃ、ファンが許さないよ……』



ファンの存在が一番私を躊躇させた…。



『もちろん、大丈夫!って言いたいけど、付き合うのは秘密にしなくちゃならない。お前に何かあっても嫌だし…。でも、それでも傍にいてほしいんだ…。俺と付き合って?!』




勇の真剣な顔に思わず見とれてしまって…




私は頷いてしまった……






『やった〜!マジ?ほんとにマジ?』



また俯きながら頷く私…。





頷くのを確認した勇は、私を思いっきり強く抱き締めた。










私はこんなに喜ぶ勇を…





すごく愛しいと思った……。




そして勇は、


『秘密にさせるけど…ごめんな…。』



そう言ってから私にそっとキスをした……





私のファーストキスだった………











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