追憶〜逢いたい人へ〜
オフの日はいつもあの場所で待ち合わせをして、海岸通りを自転車でドライブ………
勇は、
『普通のデート、したいよなぁ…』
って寂しそうに言う。
たしかに、二人でいるところを誰にも知られてはいけなかった…。
秘密の付き合いだから所謂、普通のデートはできない。
でも、私は幸せだった。
勇と手を繋いだり、抱き締めてくれたり、キスをしたり……
勇が私を選んだ理由は分からないけど、勇が私のことを好きでいてくれるだけで、私はそれだけで充分幸せなんだ……。
二人だけの秘密……
それだけでドキドキして…
最初は会えない寂しさだけで不安なんて感じなかった…。
いつ頃からだろうか……
不安な気持ちになったのは……