追憶〜逢いたい人へ〜
江ノ島にある公園に着くと、辺りはもう暗くなりかけていた……
自動販売機で温かいコーヒーを買って、ベンチに座った…。
もう、誰もいない公園…
勇は躊躇わずにヘルメットを取った…
『ふぅ〜っ…楽しかったぁ…』
満足顔の勇は、私に満面の笑みを見せた。
ただそれだけで私は幸せな気分になれる……
まだ上着なんていらないくらい暖かいのにバイクに乗ったからか、少し肌寒い…
勇が上着を持ってこいって言った理由がわかった……
温かいコーヒーが私の体をじんわり暖める…。
それでも、小刻みに震えていた私に気付いた勇は、そっと私を抱き締めた……
『こうしてれば寒くないだろ?』
一気に熱くなる私の体…
どうして勇は、歯の浮くセリフをサラッと言えるのかな……
しかも、勇が言うとキザに聞こえないから不思議…