追憶〜逢いたい人へ〜

…人生初って…



勇はモテるもんね……



可笑しくなって“プッ”と吹き出してしまった…。



『笑ったな?!でも、千代は笑った方がいいよ。千代の笑った顔が………好きだから……』


『私も……自信に満ち溢れて、輝いてる勇が好きだよ…。』



『わかってるよ。俺、かっこいいもん!』



私はまた笑った……。



もう涙は止まっていた。




『なぁ…。また約束しないか?』


私を抱き締めながら勇は言った。



『約束?』



『そう。今度は必ず守るよ。クリスマスの次の日、またここに来てくれないか?』



『ここに?』




『それまで、休みないんだ。それに、マネージャーを説得してみる…。』




『今日はなんて言って抜けてきたの?』



『…別れるからって言って時間開けてもらったんだ。でも嘘!別れる気なんて更々なかった。』



『そうだったんだ…』



『ちゃんと会って確認したかったからな!千代の気持ち…。』



なんて、勇は言ってたけど…


私はもう、勇には会えない気がしていた。





< 130 / 297 >

この作品をシェア

pagetop