追憶〜逢いたい人へ〜
…人生初って…
勇はモテるもんね……
可笑しくなって“プッ”と吹き出してしまった…。
『笑ったな?!でも、千代は笑った方がいいよ。千代の笑った顔が………好きだから……』
『私も……自信に満ち溢れて、輝いてる勇が好きだよ…。』
『わかってるよ。俺、かっこいいもん!』
私はまた笑った……。
もう涙は止まっていた。
『なぁ…。また約束しないか?』
私を抱き締めながら勇は言った。
『約束?』
『そう。今度は必ず守るよ。クリスマスの次の日、またここに来てくれないか?』
『ここに?』
『それまで、休みないんだ。それに、マネージャーを説得してみる…。』
『今日はなんて言って抜けてきたの?』
『…別れるからって言って時間開けてもらったんだ。でも嘘!別れる気なんて更々なかった。』
『そうだったんだ…』
『ちゃんと会って確認したかったからな!千代の気持ち…。』
なんて、勇は言ってたけど…
私はもう、勇には会えない気がしていた。