追憶〜逢いたい人へ〜
会えない気がしたからもう一度、聞いてみたかった。
『ねぇ…勇?』
ゆっくり勇から離れた私は、
『なんで私なの?』
勇の目をじっと見た。
勇はキョトンとした顔で、
『…前にも言ったじゃん。理由なんてないよ。好きだから……。』
また同じセリフ…
解けない難問題………。
『わかんないよ…』
私は勇に抱きついた…。
一分でも、一秒でもくっついていたくて、1cmでも1mmでも離れたくなかった…
『今日は積極的じゃん!いいね!ついでに、キスもして…』
そう言った勇は、屈んで目線を私に合わせた…。
私は勇の両肩に両手をかけて勇にキスをした…
私から初めてのキス……
触れるだけのキスで精一杯だった……
でも、勇は満足してくれない……
『好きな人にはこういうキスをするんだよ…』
勇は私の頭に右手を回し、左手は腰に…
そして…
長い………
深い…………
息ができないくらいのキスをくれた…。