追憶〜逢いたい人へ〜
あれは雨の日……
家から駅までの道を歩いてる時だった…。
途中にある、大きな家の大きな木の下で孝雄は雨宿りをしていて…
偶然私が通りかかった…。
私を見つけた孝雄は、中学生の頃より大人っぽくなっていたけど、笑顔や仕草は全然変わっていなかった…
私が小走りに近づき、孝雄を傘に入れた…。
『家を出るときは降ってなかったんだよな…』
そう言った孝雄は私からそっと傘を取る。
これはさりげない孝雄の優しさ…
…変わらないなぁ……
『バカだねぇ…今日は降るって天気予報で散々言ってたのに……』
孝雄と自然に話せている…
すごく心地良い…
嬉しかった………。
あのモヤモヤはどこにいっちゃったのかな……
孝雄と気まずくて会おうとしなかったことを後悔した……。