追憶〜逢いたい人へ〜
『…探してたよ…。』
やっと口を開いた孝雄は、やっぱり寂しそうな笑顔をしていた。
『えっ…?!本当に?』
『あぁ…。』
『そっか…。ありがとう…。』
…約束、忘れた訳じゃなかったんだ…。
もうそれだけで十分だった。
だけど、孝雄は、
『探してた。走り回ってるお前をやっと見つけて…。…俺を探してるんだと思ったからな。だから声をかけようとした。だけど、一足先に古田と話始めたから終わるの待って、お前を見たら、なんか……声かけらんなかった…。んで、そのまま帰った…。』
『えっ…なん…』
…でって言いかけたけど…
そうだ…私、探すのをやめたんだ…
自分から聞いたくせに…
なんか悲しくなって…どうしていいかわからなかった…。