追憶〜逢いたい人へ〜

黙っていると孝雄は、


『ついでに言うけど、お前さぁ、俺以外に数人お前を探してたけど気付いてたか?』


『えっ…なんで?』



私の問いかけに呆れた孝雄はため息をついた。


そして、


『お前って鈍感だな…。前にも言ったろ?お前は無防備すぎる!俺はお前の居場所を聞かれたんだ。』


って怒った…。



なんて言ったらいいかわからなかった。


孝雄に圧倒されてると、


『古田とは何話してたんだ?』


ボソッっと呟いた。



『……好きかどうか聞かれて…』


『それで?』



『……色々あって…結果から言うと…』

『うん…?』


『……付き合ってた…。』


私の一言にビックリするくらい孝雄は動揺していた…


『まっ…マジかよ…。今もか?』


私は首を振った。


『もう終わっちゃった。』


私は空を見た…




勇の…


夕日に染まる勇の後ろ姿を思い出して、少し切なくなった……。





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