追憶〜逢いたい人へ〜

卒業式の約束のこと…



勇の誕生日のこと…



私の誕生日に再会したこと…



勇からの三回目の告白で付き合い始めたこと…



付き合いがバレたこと…



クリスマスの次の日の約束のこと…



全部孝雄に話した…。




ただ黙って聞いてくれた孝雄は、


『前にも忠告したのに…。でっ?その日に別れたのか?』


『…うん。多分…。』


『なんだ?多分って。さっき終わったって言ってただろ?』


『…クリスマスの次の日、勇と会えなかったの…』


『……。』



『前にね、勇が、“私がいるから頑張れる”って言ってくれたんだけど、もう私がいなくても勇は一人で前に進んでるから…。その日に別れようと思ってたの。私がいることで迷惑かけたくなかったから…。
……あぁ…違うな…。多分、自信がなかったのかも…あの勇の彼女でいる自信が…』



『もう少し自信持てよ…。別に引け目を感じる必要ない。その…お前も充分……』


孝雄はそれから真っ赤な顔して言葉につまった…。



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